ストレスで弱った脳の回復には、
セロトニンが必要となります。
しかし、現在の医療では、
セロトニンを直接補充することはできませんので、
薬でセロトニンの働きを効率的にしつつ、徐々に溜まるのを待つ必要があります。
セロトニンを理解するには、セロトニンをガソリンに、
脳を車に例えると分かりやすくなります。
うつ状態とは、車のガソリンが少なくなっている上に、
ガソリンタンクに穴が開いたような状態です。
知らない間ににガソリンが少なくなっているのことに気付かない。
こういう時は疲労感が強くなったり、集中力が下がったりしています。
多くの人は、少し休むことで、その穴が修復されるとともに、セロトニンも少しずつ溜まっていきます。
でも、いわゆるうつ病になりやすい人というのは、疲労感を感じたり集中力が低下すると、
「俺は根性が足りない。もっと頑張ろう。」と考え、ガソリンが底をつくまで頑張ってしまうのです。
そして、とうとうガソリンが底を付いてしまい、うつ病となります。
セロトニンは車でいえばガソリンのようなものですので、当然、無くなると走ることができなくなります。
再び走り出すには、給油、つまり休養が必要になります。
しかし、休養してガソリンが少し溜まったからといって、すぐに走り出してしまうと、
十分にガソリンが補給されていない状態なので、
すぐにガソリンがなくなり、元のうつ病に戻ってしまうのです。
うつ病になった時は今まで十二分に頑張ってきたと考え、
今度はガソリンが十分に補給されるまで、しっかりと休養することが必要なのです。
仕事を休んでいる間でも、イライラしたり、不安感が強かったりすると、
セロトニンがさらに消費されて、なかなか十分に溜まらないこともあります。
そういう時は抗うつ薬の力を借りたり、「何も考えない」で休養する必要があります。
真面目な人にとっては、「何も考えない」ということ自体が難しいのですが・・・
ちなみに、セロトニンは通常、常に新しく生産されているものですが、
年齢とともに、徐々に生産量は落ちてくると言われています。